ポリファーマシー対策の動向

秋下 雅弘
東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座 教授

 ポリファーマシーは、単に服用する薬剤数が多いこと(多剤服用)ではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態である。従って、高齢者総合機能評価(CGA)などを用いて患者の病態、生活機能、生活状況、意思・嗜好などから包括的に適正処方を判断し、多職種で対策を講じることが求められる。当学会による「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」の策定、当学会のメンバーを含む日本老年薬学会の設立(2016年1月)、厚労省による「高齢者医薬品適正使用検討会」の設置(2017年4月)およびそこでの「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」策定という大きな節目を経て現在に至っている。
 この間、マスコミによるポリファーマシーに関する報道は日常的なものとなり、診療報酬でもポリファーマシー対策が医師、薬剤師双方で評価されるように制度が変化するなど、まさにポリファーマシー時代の到来である。医療全体からみても、ポリファーマシー対策は地域包括ケアシステムに包含されるべき重要な課題といえる。したがって、ポリファーマシー対策では多職種協働、特に医師と薬剤師の連携が必須であり、日本老年薬学会等による「ポリファーマシー見直しのための医師・薬剤師連携ガイド」なども上手く活用していきたい。

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