専門医制度の概要

社団法人 日本老年医学会は、成人病、老年病の領域における医療ならびに研究従事者、専門家からなり、成人・老年医学に関する諸問題に総合的に関わってきた。昭和63年に専門医制度(発足当時は「認定医」)を発足させ、以下の理念を掲げて高齢者の医学を実践できる老年病専門医の育成に努めてきました。

  1. 老年病医学を担当できる資質の高い医師を養成する
  2. 高齢者の生理・病理を理解し、老年期特有の疾病に対応する
  3. 高齢者の介護・看護の領域を理解し、老年医療を包括的に行う
  4. 高齢者に関する基礎・臨床研究を理解し、老年医学研究を推進する

平成29年5月現在、1415名が専門医としての認定を受け、日本各地の大学、老年病専門病院、一般病院の勤務医や開業医として老年医学の教育、診療にあたっています。→ 老年病専門医名簿

老年病専門医は、社団法人日本専門医制評価・認定機構の認めるsubspecialityの専門医の1つであり、内科を基盤とする専門領域と位置づけられています。日本内科学会認定内科医の資格取得後 認定施設で指定されたカリキュラムに沿って3年間の専門臨床研修を受けることが専門医認定試験の受験資格となっています。ヨーロッパ、英国、米国をはじめ多くの国で老年病専門医が活躍しており、国際老年学会などを通じて国際交流も活発です。

専門医の受験資格及び認定方法

老年病専門医資格認定試験は、信頼される老年病標榜医として要求される老年病全般の医学知識と臨床能力を評価します。老年医学を教育する相応しい環境と指導者がいると認定された施設で、決められた期間、定められた最低条件を満たす訓練を受けたことを証明することと、筆記試験で専門医にふさわしい知識を有していることを証明することが求められます。筆記試験の合格率はおおむね90%以上です。

日本以外の国で老年病臨床研修を修了し当該国で老年病専門医の称号を得た者は、筆記試験の受験資格を得ることができる。研修を受けたことを示す、臨床研修チェックリスト及び臨床研修終了証明書、受持入院患者病歴要約のコピー、日本老年医学会が企画する学術・研修集会の参加証のコピーなどの提出が求められます。費用は認定試験受験のための審査料20,000円及び認定試験合格後に納付する認定料30,000円です。また、専門医は本学会の会員であることが条件となるので、試験に合格した時点で学会員でない方は学会に入会する必要があります。学会入会手続き その年度の認定試験の応募要項や日程は12月ころ日本老年医学会雑誌及び当サイトに発表されます。

認定施設及び指導医 →専門医制度の手引き 2.認定施設及び指導医

老年病専門医の臨床研修のための教育環境を備えている施設を教育病院として認定し、老年病臨床研修医の指導を依頼しています。認定施設に勤務し、認定内科医及び総合内科専門医を育成する能力のある本会会員を指導医に任命し老年病臨床研修医の指導を依頼しています。教育病院から派遣され研修をおこなった老人ホームなどの施設及び診療所での診療も、教育病院での研修とみなされます。老年病専門医の試験を受けるには認定施設で研修を受ける必要があります。

認定更新制度 →専門医制度の手引き 3.更新関係

老年病専門医の有効期限は5年です。老年病専門医の称号を維持するためには5年毎に必要な研修を受けて認定の更新を申請する必要があります。専門医を更新するには5年間で50単位の研修を受けなければなりません。さまざまな研修で得られる単位が決められています(→ 表2 127KB)。このうち一定以上の単位を本学会の企画または本会機関紙への論文掲載や本学会が提供するセルフトレーニング問題により取得する必要があります。実際高齢者の診療に従事していることを示すため、30例の診療実績を提出することが求められます。また更新の時点で有効な日本内科学会認定医証を有してしなければなりません。学会主導の臨床研究EWTOPIA75(ユートピア75)参加者への時限付特例が認められています。