専門医制度の手引き

1.研修関係

カリキュラム

カリキュラムは、老年病専門医が備えるべき以下のような資質を涵養するために必要な知識や経験をリストアップしたものである。

  1. 老年者に多くみられる病態、とくに老年症候群の主要な症状(誤嚥、転倒、せん妄、認知症、排尿障害、寝たきり、褥瘡など)に適切に対応し、生活の質(Quality of Life)の改善に努めることができる。
  2. 多くの疾患を抱える老年者に対して包括的な治療ができる。
  3. 老年者の終末期医療をおこなうことができる。
  4. 老年者施設や在宅の環境整備、チーム医療などが適切に行なえる。
  5. 老年者に関する基礎研究、臨床研究を理解して、Evidence -based Medicineの遂行することができる。
研修レベルのランク

知識:

A:よく理解している。
B:概略を理解している。

診察、検査手技、治療(原則として65歳以上の症例)

a:原則として経験すること(担当医として受け持つ)
b:指導医のもとに経験する(共同でもよいから受け持つ)
c:概略の知識を有すること(見学することが望ましい)

補足:研修期間中 老人ホームや老人健康保健施設などでの診療及び在宅医療の診療を経験することが望ましい。

診療実績
  1. 研修達成度評価表 上記カリキュラムA~B、a~cにつき達成度できたことを自己及び指導医がチェックした一覧表を提出する書式1-4
  2. 臨床経験20症例(65才以上)の一覧表書式1-5及び入院病歴要約を提出する。病歴要約は、日本内科学会の病歴要約作成手引きにしたがって 当学会の様式(→書式 1-5')に記入する。以下の条件を考慮して提出する症例を選択すること。
    1. (1) 主病名あるいは付随する老年症候群として以下の症例を含む(各1例以上。ただし1症例に2つ以上の病態が含まれてもかまわない):認知症、せん妄、抑うつ、腰痛、歩行障害、転倒・骨折、尿失禁、寝たきり・廃用症候群、褥瘡、嚥下障害・誤嚥、骨そしょう症、低栄養
    2. (2) 外来で診療症例を5例まで含めることができる。
    3. (3) 在宅、施設入所症例、退院支援を行った症例のいずれかを1症例を含めることが望ましい。
    4. (4) 高齢者の終末期医療に関する症例を含めることが望ましい。
    5. (5) 以下の分野の疾病を含めることが望ましい。呼吸、循環、消化器、内分泌・代謝、腎、血液、膠原病リウマチ、神経、感染
    6. (6) 考察は高齢者であることがどのように影響したかについても言及すること。
  3. 本学会の主催する学術・研修集会への参加:本学会の企画する学術・研修集会(年次集会、地方会など)に3回以上参加する。教育施設以外で幅広い情報を得るとともに、生涯にわたり新しい学問の成果を学ぶ態度を身につけることを目指している。
指導医研修

指導者は本学会が行う、老年病指導者講習会を受講することが望ましい。

教科書

本学会は老年病専門医制度研修カリキュラムに沿った「老年医学テキスト」(メジカルビュー社刊)を発行している。また毎年老年医学の研究及び臨床の進歩を俯瞰するために有用な「老年医学update」(メジカルビュー社)を刊行している。研修に際してはこれらの出版物や、学術集会の教育企画などを積極的に利用することが望ましい。

試験の形式
申請に必要な書類など

→次回の専門医認定試験のおしらせ

→専門医認定試験を受験するために必要な書類(書式1、専門医申込書、履歴書書式、認定施設研修終了証明書、指導医の推薦書、入院病歴の記入例及び書式、研修達成度評価表、学会が主催する研修会の参加証のコピー)

2.認定施設及び指導医

認定施設の条件
  1. 老年病学を研修するに足る充分な病床・施設を有すること。
  2. 関連施設を含む指導医の下に充分な指導体制がとられていること。
  3. 研修カリキュラムに基づく研修が可能であること。
  4. 剖検室を有すること。但し関連施設を含むものとする
認定施設の申請

毎年12月25日までに所定の書類を添えて申請する。(認定施設申請書類 書式3
5年毎に更新する必要がある。

指導医の条件
  1. 本学会の役員、代議員または老年病専門医である。
  2. 5年以上本学会の会員である。
  3. 認定施設またはそれに準じる施設に勤務し高齢者の診療に従事していること。
    ※2、3に関する過渡的措置は2010年廃止された。
指導医の申請

毎年12月25日までに所定の申請書により申請する。指導医申請書類 書式4

3.更新関係

更新に必要な単位
更新のためには5年間で50単位の研修を受けなければならない。

そのうち25単位は当学会の年次学術集会、地方会および学会中の教育企画などで取得する必要がある。また期間中最低1回はセルフトレーニング問題を解答して5単位を取得する必要がある。EWTOPIA75(ユートピア75)に関する時限付特例を利用する場合は最大35点を研究に参加することで取得することができる。

セルフトレーニング問題

5年間に最低1回セルフトレーニング問題による単位(5単位)を取得しなければならない。セルフトレーニング問題は、「老年医学update 2008-2009」「老年医学update 2009-2010」「老年医学update 2010-2011」の巻末に掲載されている問題を所定の解答用紙に記入して学会事務局に送付することにより取得できた。「老年医学update」は2012-2013より会員限定のページで閲覧できるonline版となる。Online版を解答するためには、所定の解答用紙(4,000円)を学会事務局より購入する必要がある。過渡的措置として、2011年は過去の問題を3回にわたりホームページに掲載し解答の機会を与える。また初回のみ専門医全員に無料で解答用紙を配布し制度の改正の周知を図る。

単位取得のための企画→ 細則9条、表2【127KB】
安全、倫理、社会制度に関する研修

本学会の教育企画として行われる「安全」「医療倫理」「社会制度」に関する講義をそれぞれ1度以上受講することが望ましい。内科学会や認定施設で行われる同様の講義を持って代えることができる。