事例集

症例2下血、ショック状態で緊急入院の治療経過中に点滴の自己抜去、暴力行為、夜間興奮状態などが見られた80歳男性に認知症ケアチームとして介入した事例

Scene2

 前回退院から5ヶ月経過した。今回、1か月前から嘔気、腹痛があったが、近医にて胃炎として処方を受け、様子を見ていた。その後、日によって体調が変化し、2週間前には独歩不可能になりつつあり、下肢の浮腫も増悪していた。1週間前に近医を受診する際は、体を支えないと立てない状態だった。 2日前、食思不振あり、食事量が減っていた。今朝、トイレに行く途中で転んでおり、長男が見に行くと失禁しており、黒色便を認めた。ベッドに横になってもらい長男は出勤した。14時頃、次男の妻が来たところ、便失禁、黒色便があり、寒気も訴えた。冷汗あり、意思疎通も困難になったため、救急要請し受診した。
 来院後、バイタルなど診察所見、採血検査、緊急上部消化管内視鏡より、上部消化管出血による出血性ショックと判断した。内視鏡では、重度のGERD(胃食道逆流症・Gastroesophageal reflux disease)所見と食道裂孔ヘルニア、食道-胃接合部付近に活動性出血を認めクリッピングを施行した。緊急入院し、輸血を実施した。その後、入院7日目、食道潰瘍部より再出血があり再度クリッピングを実施。入院14日目より流動食より開始した。入院20日目、認知症ケアチームに点滴の自己抜去、暴力行為、夜間興奮状態があるため対応を依頼すると連絡があった。車いすでの病棟内徘徊があり、車いす乗車時にセーフティベルトを着用しているが、自分で外して立ち上がってしまうということもあるとのことであった。

Scene2 Questions

  • 1) 認知症ケアチームでの介入の際に、老年医学的視点をどのように生かすことが期待されるか?
  • 2) 認知症ケアチームによる介入としてどのようなことが考えられるか?
  • 3) この事例ではこのあと自宅退院か、転院か、施設入所かが問題となった。どのように方針決定することが考えられるか?
  • 4) 認知症施策全体から考えたとき、本症例をどのように把握すべきか?