事例集

症例4腰椎圧迫骨折受傷後に食思不振が続いた86歳女性

Scene1

 A氏は86歳女性で、認知症と糖尿病、高血圧症、および3年前の脳梗塞による軽度の左不全麻痺があり、要介護3の認定を受け、5か月前から介護付き有料老人ホームで暮らしている。2か月前、起床時に生じた腰痛のため整形外科受診し、第2腰椎圧迫骨折と診断された。内服薬と湿布薬の処方を受け、ダーメンコルセットを作成、装着している。圧迫骨折後からあまり食事が進まず、現在、軟飯軟菜とした1400kcal/日の食事を3-4割摂取している。A氏は身長154cm, 43kgでBMI 18.1kg/m2、骨折受傷前と比べ、体重が3kg減少した。食事ができないことにより、嘱託医からの紹介により、市民病院老年内科外来に、ホームの相談員に付き添われ、車いすにて受診した。
 診療情報提供書に添付された血液検査では、白血球 6,100/μl、Hb 9.2 g/dl、MCV 82.4 fl、血小板 22万/μl、TP 6.7g/dl、Alb 3.3 g/dl、BUN 22.4 mg/dl、Cr 1.4 mg/dl、尿酸 7.2, mg/dl、HbA1c 6.3%、T-Cho 173 mg/dl、TG 118mg/dl、Na 145 mmol/L、K 4.2 mmol/Lであった。以前から胸部X線で陳旧性炎症像、心電図にて左室肥大が指摘されていた。

投薬内容
ロキソプロフェン60mg 3T
分3 毎食後
レバミピド100mg 3T
分3 毎食後
ファモチジン20mg 2T
分2 朝夕食後
エルデカルシトール0.75μg 1T
分1 朝食後
乳酸Ca 3.0g
分3 毎食後
ドネペジル5mg 1T
分1 朝食後
シタグリプチン100mg 1T
分1 朝食後
ナテグリニド90mg 1T
分1 朝食前
アムロジピン5mg 1T
分1 朝食後
アスピリン100mg 1T
分1 朝食後
酸化マグネシウム330mg 2T
分2 朝夕食後
ゾルピデム5mg 1T
分1 眠前(不眠時頓用)

Scene1 Questions

  • 1) Aさんの摂食量が少ない原因として、考えられることは何か?
  • 2) 摂食量が少ないことに対し、Aさんに対し行うべき評価は何か?