事例集
症例6症例6 多病のためにポリファーマシーとなった72歳男性が、転倒と意識消失を繰り返し、半年後、潜在的な神経変性疾患が明らかになった事例
Scene2
入院時CGA7では意欲低下、手段的ADLの低下、情緒・気分障害を認めた。高次脳機能検査ではMMSE 27点(見当識、遅延再生、計算で失点), HDS-R 25点(見当識、遅延再生、語想起で失点)であり, 軽度の時間の見当識障害を認めた。Barthel Indexでは60点、やる気スコア (Apathy scale) は18点で軽度のアパシーを呈し、GDSは7/15でうつ傾向にあった。
神経学的所見では
- #1
- 歩行時のふらつきと軽度歩行障害
- #2
- 全般的四肢腱反射消失(上腕二頭筋、同三頭筋、膝蓋腱、アキレス腱反射消失)
- #3
- 両側靴下型感覚鈍麻(温痛覚障害)、下肢振動覚低下、位置覚低下
- #4
- 右上肢で誘発固縮あり
- #5
- 下肢近位筋優位のMMT4+の筋力低下と軽度の筋委縮
- #6
- 突進歩行なし, 動作緩慢なし, ロンベルグ徴候なし
を認めた。大脳MRIでは脳室周囲の深部白質と皮質下白質に虚血性変化が散在し、微小出血はなかった。拡散強調画像では急性期脳梗塞を示唆する高信号域は認めず、転倒の原因となる陳旧性脳梗塞も認めなかった。
Scene2 Questions
- 3) 上記の老年症候群を説明するのに必要な神経学的な所見はどれか。
- 4) 神経学的所見から考えられる鑑別疾患とさらに必要な検査はなにか。
- 5) S氏には多職種による支援介入が必要である。S氏の障害を列挙し、その障害に対してどの職種に何が出来るのかを具体的に述べよ。


