事例集
症例7後期高齢者の健康診査で問題を指摘され、外来受診した82歳の種々の問題を抱えた地域在住高齢者
Scene2
担当医は、食事摂取状況の評価のため管理栄養士にコンサルテーションを行った。A氏が自身のことを説明できる状態であり、認知機能低下を疑う所見に乏しいことも伝えた。
管理栄養士は、担当医の情報を踏まえてA氏と面談し、簡易栄養評価(Mini Nutritional Assessment-Short Form: MNA-SF)と指輪っかテストを実施した。
◆MNA-SF 合計6点
| 質問A | 過去3か月間で食欲不振、消化器系の問題、そしゃく・嚥下困難などで食事量が減少しましたか? | 2点(減少なし) |
|---|---|---|
| 質問B | 過去3か月間で体重の減少がありましたか? | 0点(3kg以上の減少) |
| 質問C | 自力で歩けますか? | 2点(自由に歩いて外出できる) |
| 質問D | 過去3か月間で精神的ストレスや急性疾患を経験しましたか? | 0点(はい) |
| 質問E | 神経・精神的問題の有無 | 2点(精神的問題なし) |
| 質問F | BMI | 0点(BMI=19.0kg/m2) |

◆指輪っかテスト陽性(隙間あり)
面談の中で、食材の調達や摂取状況についてA氏が回答に口ごもることがあるため、管理栄養士は、息子に待合室で待ってもらうことにして、本人のみから聴取することにした。その結果、妻は2か月前に大病を患い突然病院に入院することになったこと、このため食事の準備を自身ですべて行うことになったこと、息子はうつ病のため家に閉じこもりがちで働きに出ていないこと、また、腰の痛みのため頻繁に食材の買い物にでかけることが難しく、ご飯と漬物や佃煮などで簡単に済ませることが多いこと、などの情報を収集した。さらにA氏は、息子が食材を購入する金銭管理に厳しく、主菜は以前1食で食べていた量を、2回に分けて食べていると話した。これらの結果から、エネルギー摂取量とたんぱく質摂取量が不十分であること、エネルギー摂取量の低下に伴いビタミン・ミネラル類が不足している可能性を担当医に報告した。
これらの情報提供を受けた担当医は、入院による検査・評価を行うこととし、本人と息子に説明を行った
入院後、消化器系検査や血液検査を詳しく行ったが器質的な異常は認められず、提供した食事は全量摂取された。
Scene2 Questions
- 1) 管理栄養士からの情報を踏まえ、追加すべき問題点は何か。
- 2) A氏の食生活上の問題点を、身体的状態との関連性を踏まえて述べよ。
- 3) A氏に対する治療計画と連携する職種につき述べよ。


