事例集

症例11心房細動,大動脈弁閉鎖不全,高血圧による心不全増悪により,入退院を繰り返している85歳の男性

Scene2

 入院後、フロセミドおよびソルダクトンを経静脈的に投与、一時トルバプタンも使用し、水分バランスを管理して心不全は改善、入院時は酸素マスク8L/分を要したが、酸素も不要となった。体重は2.3kg減り49kgに、利尿薬も減量でき、入院前と同じ内容の内服に変更した。リハビリテーションとして歩行訓練を行っているが食欲はまだ戻らず、NaCl制限食1600kcal/日を半分程度の摂取である。胸部X線では心胸郭比が60%に改善、胸水も減少した。
 本人は早く自宅に帰りたいと希望しており、近々担当の介護支援専門員を加え退院に向けカンファランスを持つ予定である。これまでは自宅に他人を入れたくないと訪問看護や訪問介護サービスの勧めを断ってきたが、たびたび深夜に救急車を呼び、妻を付き添わせるのを申し訳なく感じており、今回はそれらのサービス開始を前向きに考えている。入院を繰り返す中、本人は自身の寿命が長くないと認識し始め、できるだけ自宅で過ごす時間をとって、身辺の整理をしていきたいと話している。主治医は人工呼吸器など急変時の対応についても、今度のカンファランスで本人らと相談したいと考えている。

Scene2 Questions

  • 1) 退院後,心不全再発を予防する対策として,考えられることは何か。
  • 2) 高齢者世帯において、日常の心不全管理における問題点は何か。