症例から学ぶ老年医学

来院時の現症
82歳女性
主訴:もの忘れ、意欲低下
現病歴:68歳よりパーキンソン病にて近医通院加療していた。1年前より、もの忘れが目立つようになり、パーキンソン病に伴う認知症(Parkinson Disease with Dementia; PDD)と考えられ、治療を行っていた。しかし、ADLは自立(Barthel index満点)しており、家族の食事の準備や畑仕事などこなしていた。これまでパーキンソン病が原因と思われる2回の転倒歴があり、9月には道路脇の谷川に転倒転落したこともあるが、同日の頭部CTでは異常所見は認めなかった。その後、10月に入ってから急に、もの忘れや易怒性の増加、畑仕事などへの意欲低下を認めたため、11月10日当院紹介受診となった。症状の日内変動などはないようであった。
主な検査所見
| 生化学 | AST(GOT) ALT(GPT) LDH(LD) γGTP(γGT) AMY Na Cl K Ca BUN CRE(Cr) TP Alb CRP Glu HbA1c HbA1c(NGSP) |
25 IU/L 18 IU/L 253 IU/L 16 IU/L 86 IU/L 141 mEq/L 105 mEq/L 4.3 mEq/L 9.8 mg/dL 16 mg/dL 0.67 mg/dL 7.1 g/dL 4.3 g/dL 0.1 mg/dL以下 132 mg/dL 6.2 % 6.6 % |
|---|---|---|
| 血算 | WBC RBC Hb(HGB) PLT 血液像 Neu Lym |
7220/μL 433 ×104/μL 14.1 g/dL 25.0 ×104/μL 76.3 % 15.3 % |
| 血液ガス | pH pCO2 pO2 HCO3 AG |
7.430 38.5 mmHg 95 mmHg 23 mmol/L 13 mmol/L |
どのような病態が考えられますか。1つ選んでください。


